焙煎士・川添ひとみのヒストリー

喫茶店ではない”コーヒー豆屋さん”

父が経営していた喫茶店ル・ブランが閉店し、どうにかル・ブランを引き継ぐことはできないだろうかと考える日が続きました。喫茶店を継ぎたいと考えても、結婚し、転勤族の妻で子どもがいる自分にはとても地に足をつけた喫茶店経営はできないと思えました。やりたいのにやれない、どうしたらいいんだろう?そんなジレンマに悩まされていたある日。主人の上司Oさんが「自分で焙煎するコーヒーは新鮮で美味しいよ」と教えてくれました。その瞬間、私の体の中にイナズマが走りました。

「これだ!コーヒーの焙煎だ!コーヒーの焙煎であれば、店舗を持たなくてもできるかもしれない!」その瞬間から、私の焙煎修行が始まったのです。

失敗の連続、美味しくないコーヒーを飲み続ける毎日

これと決めたら突っ走る性格の亥年女。インターネットで検索したり、コーヒーの教科書を読みながら家で焙煎する日が始まりました。最初は銀杏煎り器を使ってひたすら手を振り続ける日々。手が腱鞘炎になる一方、いくらやってもやっても「美味しいコーヒー」を煎ることができません。それらしい色でそれらしいコーヒーには仕上がっても、「美味しい」レベルではないのです。いろんなコーヒー本を読みあさっても全く前に進みません。やはり職人技といわれる焙煎は自分には無理なのか・・・。これは自分の力では美味しいコーヒーに辿り着くことは難しいと考え、カフェで仕事をするか、プロの焙煎士に弟子入りするかが鍵となるかなと思い立ちました。そこで探し回り、北上市で美味しいコーヒーを焙煎しているKICKの菊池茂氏に出会いました。

焙煎の師匠、菊池茂氏との出会い

菊池茂氏と奥様には本当にたくさんのことを教えていただきました。

「焙煎業を本気で学びたいので弟子にしてほしい」

そんな私の唐突な願いを受け入れてくれ、焙煎の基本からコーヒー豆の選別、さらにはコーヒー豆屋さんになるノウハウまでご自身が持つ知識を惜しみなく提供してくれました。

また、ご自身が使っていらした焙煎機も譲ってくださいました。焙煎のような感覚を要する職人技というのは、「俺の背中を見て覚えろ」という職人さんが多いイメージです。しかし菊池氏はその感覚的な作業を理論付け、メカニズムを丁寧に教えてくださいました。いつも美味しいコーヒーを入れていただきながら。

菊池氏との出会いから、私のコーヒーは変わりました。美味しくないコーヒーから、ときどき美味しいコーヒーを煎れるようになり、現在では安定的に美味しいコーヒーが煎れるようになりました。毎週のように自分が焙煎した豆をテイスティングしてもらい、様々な知識と経験を積み重ねることができたと自負しております。

令和元年、ルブランコーヒーをオープン!

夫、両親、兄、親戚、友人や主人の会社の同僚の方々、そして菊池ご夫妻にコーヒーを飲んで頂き、やっと人様にお渡しできる商品を作ることができるようになりました。まだまだ焙煎修行中の身ではありますが、令和元年7月、珈琲焙煎工房ルブランコーヒーをオープン致します!現在はオンラインショップによるネット販売のみになります。また、岩手県北上市内で産直「あぐり夢くちない」さんに週替りでコーヒーを置かせていただいております。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。